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横浜綜合法律事務所 研究会・セミナー
発表テーマ

弁護士:鶴井 迪子

2015.02.14

交通事故損害賠償実務における家事従事者の損害についての一考

発表概要
  1. 問題意識他の外で仕事を持つ者が、実際に自らの直近3ヶ月の給与や過去1年の給与を基に具体的に休業損害や逸失利益を算出するところ、主婦・主夫については基本的には賃金センサス年収表の女性全年齢学歴計平均を基礎とし、算出する。
    これについては、実際の訴訟や交渉の場において、裁判基準として定型文句のように掲げられることも多い。
    しかし、家事と一言でいっても、その内容は家庭の構成人数、各家庭事情により様々で、そこにはかなりの家庭差があると思われる。
    また、女子労働者の平均賃金(具体的には賃金センサス年収表の女性全年齢学歴計平均)を基礎とすべきとの判例が出たのは昭和49年のことであり(最判昭和49年7月19日民集28・5・872、最判昭和50年7月8日交民8・4・905)、そこから社会情勢の変動、少子化、家電の進歩、家庭内での家事分担についての考え方の変化などにより、家事労働のあり方は(主に軽減方向に)大きく変遷している。
    そうすると、「現在の社会情勢等にかんがみ」として家事労働について女子の平均賃金を基礎とすべきとした上記の判例が出てから40年弱が経った現代においては、必ずしも同基準が実態に沿うものではない場合も少なからず存在し、むしろ上記基準が昭和50年頃の平均的な主婦像を想定した上での経済的評価と考えると、これに匹敵する労働内容であるケースの方が少ないのではないだろうか。
    社会状況の変化と最新裁判例の動向を踏まえ、現代における家事労働の経済的評価について、今回改めて検討してみることとした。
  2. 最新裁判例の検討裁判所は、当事者が争わなければ請求どおりの基準を認定することになり、実際、裁判例を見てみると、特に被告からの反論も裁判所の認定もなく賃金センサス女子学歴計全年齢の年収を前提とした休業損害・逸失利益の計算式が載っているものが数多く見受けられる。
    しかし、一方で、当事者が争えば、裁判所はかなり具体的な事情に踏み込んで、個別的に認定していることが分かる。
    発表者が検討した平成26年、平成25年の家事従事者の休業損害・逸失利益に関する数多くの裁判例の中から、当事者が積極的に争っている事例をいくつか挙げながら、裁判所が認定にあたって考慮している要素を抽出するとともに、賃セ全年齢の基準で認定された事例、賃セ全年齢平均よりも低い基準で認定された事例、賃セ全年齢よりも高い基準で認定された事例等に分け、当事者が争った場合、どのようなケースにどのような認定がなされているのか、最新の実務の動向について検討・発表した。
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