トピック
Topic
企業法務2013.12.13
企業法務「会社法制の見直しに関する要綱案」
平成24年9月7日に開催された法制審議会第167回会議において、会社法制の見直しに関する要綱案が採択され、直ちに法務大臣に答申されました。この見直しは「企業統治の在り方」と「親子会社に関する規律」に大きく分類されますが、ここでは「親子会社に関する規律」を取り上げます。
「親子会社に関する規律」としては、多重代表訴訟制度、すなわち、親会社の株主がその子会社の取締役等の責任を追及する訴えを提起することを認める制度が注目されます。親会社の取締役と子会社の取締役との人的関係や、持株会社の場合などにはビジネスに関する意思決定が子会社を中心に行われることも多いことなどが創設の理由とされています。しかしながら、親会社の取締役等には子会社を監視する義務があるというべきですから、それを前提に親会社株主は親会社の取締役等の責任を追及する方が自然かつ合理的なような気もします。
いずれにせよ、結局は企業グループ統治に関する問題ですから、本質的には、各企業が、法制の如何にかかわらず、それぞれ自主的に取り組んでいくべき課題であるというべきでしょう。