横浜綜合法律事務所

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コラム2022.06.17by 榎本 ゆき乃

組織のトップ

これまで様々な組織に関わり、また、近くで見聞きしてきたが、組織は、どんな組織であれ、そのトップが誰かによって大きく変わりうるものであるとともに、ナンバー2とは全く違う役割と責任があるのだと実感している。
トップがどのような考えを持ちどのような方針で組織を運営するかによって、組織のありようや成長度合いは変わる。基本的方針や判断基準、どこを見ているか、どこまでの時間軸で考えているか、どこまでの広さでものを見ているか、そしてそれをどう発信するかで、組織全体の方向性や活性度は変わり、構成員の考えも変わってくる。つまり、組織にとってみれば、トップが誰であるかは極めて重要なことになる。

逆からみると、組織のトップは究極的に孤独なのだろうと思う。自らの判断で組織が変わることやそれによる影響の大きさを考えると、決断の重さは計り知れない。特に、危機が訪れた場合や長年の慣行を変える決断をする場合には、抵抗への対応含め相応の馬力もいる。

会社という組織で言えば、トップは社長やCEOといった経営トップになる。この経営トップの交代と後継者指名は、企業価値を大きく左右する、企業経営における最も重要な意思決定の一つだと言われており、どの会社も頭を悩ます大問題である。昨今のコーポレートガバナンス改革では、これまで不透明になりがちだった決定プロセスにも客観的視点を取り入れることが推奨されるようになったが、果たしてどうか。

昨年の東京オリンピックで大活躍した日本柔道界では、井上康生氏が代表監督になり、以前とは大きく異なる強化方針をたてて組織改革をし、それが実を結んだという。まさに、トップが組織を変えて成功したということだろう。また、先日は、新庄剛志氏が日本ハムファイターズの監督に就任したというニュースが流れた。新庄監督の誕生によりどんなチームになるのかとても楽しみである。