横浜綜合法律事務所

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コラム2015.02.12by 吉田 進一

吉田 進一「3年後の風」

ソチ・オリンピックが終わり1年近くが経ち、早くもウインタースポーツは次のシーズンが佳境に入っております。オリンピックで活躍したスキージャンプの髙梨沙羅選手は、ワールドカップ8連勝こそなりませんでしたが、第2戦、第3戦で連勝するなど、その雄姿は相変わらずです。
髙梨選手は、昨シーズン、ワールドカップ13戦中10戦で優勝するという圧倒的な強さでオリンピックを迎えました。しかしながら、オリンピックでは4位と、髙梨選手にとって不本意と思われる結果となりました。
ところで、スキージャンプは、一般に、ウインドコンペンセーションを考慮してもなお、向かい風が有利とされています。そして、オリンピックで、髙梨選手は、出場した30選手中、27位だった選手に次いで2番目に不利な風の中でのジャンプを余儀なくされました。
しかしながら、高梨選手は、競技終了直後のインタビューで、オリンピックは、「やはりどこか違うところがあるなと感じました。」と答えており、風の影響については言及していません。1本目は、出場選手中最も不利な風の中、トップと僅差の3位につけていたのですから、2本目だけでいえば9位という結果をみれば、やはりどこか違ったのかもしれません。昨シーズンのワールドカップを、最終的に18戦15勝という驚異的な成績で終えた髙梨選手にとって、どんな風であっても、自分がもっといいジャンプをしていたら、という思いだったのでしょう。今シーズン前のインタビューでも、オリンピックの結果について、「どうしようもなく悔しい気持ちをどこにぶつけたらいいのか、もやもやした気持ちがある。」「もっともっと自分の技術を磨いていかなければいけないと思いますし、精神面も強くしていかなければいけない。」と答えており、3年後のオリンピックこそ、どんな風が吹こうとも、支えて下さる人たちにより良い結果をお見せする、という決意のようです。
とはいえ、3年後のオリンピックでは、とびきり良い風が吹いてほしい、その風の中を、「わたしのジャンプみてください!」(とつぶやきながらアプローチを組むそうです)と、大観衆の中に高く飛び出していってほしいと願っています。