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コラム2014.06.18
本田 知之「フェルマーの最終定理」
皆さんは、「フェルマーの最終定理」というものをご存知でしょうか? 恥ずかしながら、私自身は、先日、本屋で「フェルマーの最終定理 作サイモン・シン(新潮文庫)」を手にするまで、名前だけしか知らない状態でしたが、一読したところ、非常に面白かったので、ご紹介をさせて頂きたいと思います。
ピュタゴラスの定理は、皆さんご存知だと思いますが(「直角三角形の斜辺の二乗は、他の2辺の二乗の和に等しい」という中学生で習う例の「X2+Y2=Z2」という方程式です。)、フェルマーの最終定理は、この方程式に形が非常に良く似ていて、「Xn+Yn=Zn」と表されるのですが、「nが2より大きい整数の場合には、この方程式には整数解が存在しない」という否定の内容になっています。
この定理自体は、17世紀のフランスの数学者のフェルマーが書き残したメモの中に記載されていたので、世に出ることになったのですが、そのメモには、「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない。」という何とも思わせぶりな一言が記載されているだけで、その証明方法の言及がされていませんでした。
そのため、この一見簡単そうな定理(厳密には、証明されていないので、「仮定」というそうです。)の証明をめぐって、後世の数学者が頭を悩ますことなり、結局、1994年まで、この定理は証明されませんでした。この本では、約4世紀にわたる数学者達のこの定理の証明に掛けた執念(?)が分かりやすく記載されており、数学の知識が無くても十分に楽しめる内容になっています(ちなみに、私の数学の知識は、中学生程度です。)。
本屋さんでこの本を見かけたら、ぜひ、手に取ってみてください。