横浜綜合法律事務所

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コラム2014.05.14by 稲村 育雄

稲村 育雄「平成26年度神奈川県包括外部監査補助者に就任」

当職は、現在、通常の弁護士業務に従事するほか、平成26年度神奈川県包括外部監査補助者としての職務にも従事しております。
「『包括外部監査』とは一体何?」という方が多いかと思いますので、ここで少し「包括外部監査」制度について、ご説明させて頂きます。

「包括外部監査」とは、毎会計年度に包括外部監査人(外部専門家である弁護士、行為人会計士等)と地方公共団体との間で締結される包括外部監査契約に基づく外部監査であって、平成9年の地方自治法改正に伴って平成11年より毎年実施されている地方公共団体に対する外部監査です。
「包括外部監査」制度のそもそもの目的は、外部監査を通じて地方自治法2条の「地方公共団体は、その事業を処理するに当たつては…最小の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」、「地方公共団体は、常にその組織及び運営の合理化に務め…なければならない」という趣旨を達成することにあります。かかる制度目的の中で「包括外部監査」に期待される役割には、予算の不適正執行の是正と再発防止等のほか、外部監査を通じて地方公共団体に対する住民の信頼の回復・向上を図る役割といったものがあります。
「包括外部監査」の対象となるのは、当該地方公共団体の「財務に関する事務の執行」及びその「経営に係る事業の管理」ですが、包括外部監査人は、その中から、上記地方自治法の趣旨を達成するため必要と認める特定のテーマを選定して、上記目的及び役割を念頭に、当該地方公共団体の事務等の適法性、有効性、効率性及び経済性等について、監査を実施します。

神奈川県において地方自治法の上記趣旨がより一層達成されることとなるよう、弁護士業務を通じこれまで培ってきた法律家としての専門的識見を最大限活用し、のみならず、一神奈川県民としての市民感覚をも大切にして、同職務に精励していく所存です。