横浜綜合法律事務所

横浜綜合法律事務所

トピック

Topic
コラム2025.01.06by 左部 明宏

思い出は美しすぎてということはない

某坂道系アイドルグループに加入しているメンバーに、私の高校の後輩がいることが判明した。通常アイドルは自分の出身校を秘匿しており、彼女も公表してはいないが、某テレビ局の企画で放送された高校生のダンス動画がYouTubeにUPされており、高校時代の彼女が映っていた。ダンス部のメンバーが、校庭、体育館、校舎内で踊る。そこに映し出されている高校が私の母校であった。私が卒業して40年以上経過しており、校舎は建て替えられ、学校前の雑木林も住宅地に変容していた。しかし、校庭の様子、校内の様子は昔の面影が残り、学校の映像につられ記憶の奥底にあった当時の思い出が瞬時によみがえってきた。雑木林横の道を通り校門に向かう通学路(雑木林がなくなった今でも文化祭を「木漏れ日祭」と呼称する)、クラブ活動で毎日のように走っていた校庭(私はラグビー部)、昼休みに学校の抜け出し、昼食を食べに行った校門前の定食屋(さすがに今はもう無い)。そして、高校時代の思い出と一緒に当時抱いていた感情も沸き上がり、少々困惑した。日々楽しかったが、自分はいったい何者になりうるのかという将来に対する不安を抱えていた日々。人生において一番楽しかったのはいつ頃かと問われれば高校時代と答えることに迷いはないが、あの時代に戻りたいかと問われれば、未来を恐れ将来に対する不安と戦い続けた日々に戻りたいとは思わない。

彼女がオーディションを受けたきっかけは、ダンスが好きで、進路に迷っていた姿を見た母親が、ダンスを得意とするアイドルグループがメンバーを募集しているから応募してみたらと勧めたことらしい。高校は今も進学校であると思うのだが、そこからアイドル界に飛び込む度胸も大したものである。私もすこし若返ってこの同窓生アイドルを推してみようかなと思う今日この頃である。