仮処分について
仮処分とは、民事保全法に基づく手続きです。
この仮処分には大きく分けて「係争物に関する仮処分」と「仮の地位を定める仮処分」の2種類になります(民事保全法第23条)。
「係争物に関する仮処分」とは、物に関する給付請求権(物の引渡請求権、明渡請求権、移転登記手続請求権等)の強制執行を保全するために、目的物の現状を維持する処分です。
例えば、不法占有者に対して建物の明渡しを求める訴訟をしている間に、不法占有者が別の第三者を入居させてしまうことを防ぐための占有移転禁止の仮処分や、自分の所有する不動産に他人名義の登記がなされている場合に、その不実の登記の抹消を求める訴訟をしている間に、別の第三者に登記名義が移転してしまうことを防ぐための処分禁止の仮処分などがあります。
また、「仮の地位を定める仮処分」とは、争いのある権利関係について、暫定的な処分を行うことによって、債権者の現在の危険を除去し、将来における終局的な権利の実現が不可能となることを防止するため処分です。
例えば、不当解雇を争う場合に、訴訟において解雇の効力を争っている間、その労働者が無収入となってしまうことを防ぐための賃金仮払い仮処分などがあります。
どのような場合に、仮処分の制度を活用すべきかについては、個々の具体的な事案によって様々であって、的確な状況把握と、確かな法的知識に基づき、慎重に検討する必要があります。
私たち弁護士は、依頼者のために、まずは親身に依頼者のご相談に乗り、個々の事案に応じて、民事保全が必要な事案なのか、どの制度を活用すべきか、などをご提案し、そして、ご依頼頂いた場合には、依頼者の代理人としてその手続を行います。
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