保護処分について
家庭裁判所は、審判の結果、少年を保護処分に付するのが相当と認める場合には、「保護処分」として、①保護観察、②児童自立支援施設・児童養護施設送致、③少年院送致のいずれかの決定を行います。
- 保護観察とは、少年を施設に収容することなく、保護観察所の保護監察官の指揮監督を受けつつ、家庭等での更正を図る処分をいいます。
保護観察を受ける期間は、原則として本人が20歳に達するまでですが、本人が20歳に達するまでの間が2年に満たない場合には、保護観察の期間は2年となります。もっとも、保護観察期間中に問題行動がなければ、約1年で解除されることが多いです。 - 児童自立支援施設・児童養護施設送致とは、児童福祉法により設置された児童福祉施設に少年を入所させたり、保護者の下から通わせたりして、少年の自立を支援する処分をいいます。
- 少年院送致とは、家庭等での更正に十分に期待することができないために、少年院に少年を収容し、少年の矯正教育を図ることをいいます。
少年院では、健全な生活習慣の育成、学習・勤労習慣の育成、教科教育の補習を行います。その他、少年が少年院を出た後の社会復帰を助けるべく、職業教育や資格取得のための教育もなされています。危険物取扱者やガス溶接など、少年院を出た者の大半が何らかの資格や免許を取得しています。
少年院は、対象となった少年の年齢や特性に応じて、第一種(おおむね12歳以上23歳未満の者)、第二種(犯罪傾向の進んだおおむね16歳以上23歳未満の者)、第三種(心身に著しい障害があるおおむね12歳以上26歳未満の者)、第四種(少年院において刑の執行を受ける者)の4種類に分けられます。
少年院に収容される期間は、非行傾向の進んだ少年を対象とした「長期」処遇では、仮退院までの在院期間は通常1年程度です。非行が重大で矯正を図る上で特別の処遇を必要とする場合には「比較的長期」や「相当長期」(2年を超える処遇)といった処遇もあります。他方で、長期処遇に処すまでの必要のない場合は、「一般短期」と処遇され、仮退院までの在院期間は4~6か月程度です。
少年審判の結果、少年院に送致されるということになった後も、私たち弁護士は時期を見計らって少年院に面会に行き、施設での生活に動機付けを与えて、少年の立ち直りを支えていきます。
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