保釈
「保釈」とは、保証金の納付等を条件として、勾留されている被告人の身柄の拘束を解く制度をいいます。
保釈は、被告人の権利として認められるのが原則であり、以下の不許可事由が存在しない限り、裁判所は保釈を許さなければなりません。(保釈不許可事由)
- 被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁固に当たる罪を犯したものであるとき
- 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁固に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき
- 被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁固に当たる罪を犯したものであるとき
- 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
- 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき
- 被告人の氏名又は住居が分からないとき
また、これらの不許可事由が存在する場合でも、裁判所は、適当と認めるときは、保釈を許すことができます。
保釈を請求するにあたって、弁護人は、上記の不許可事由が存在しないことや保釈の必要性が高いことなどを具体的に主張します。また、保釈請求があると、裁判所から検察官に対して意見を求めることになっているため、弁護人としては、事前に検察官との交渉を試みます。さらに、保釈を認めるかどうかを判断する裁判官との面接を求め、裁判官に対して直接に不許可事由が存在しないことや保釈の必要性が高いことを訴えかけていきます。
かりに、保釈の請求が却下された場合には、弁護人は、それに対する不服申立てを行い、被告人が釈放されるよう、適切な弁護活動を続けていきます。
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