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横浜綜合法律事務所 アーカイブ

予防法務

ここ最近、企業法務の一環として、「予防法務」に力を入れています。
企業が日常的に行っている取引のうち、トラブルになるケースは頻繫にあるものではないでしょう。しかし、50件の取引のうち1件でトラブルが生じ、契約書を整備していなかった、若しくは、不利な内容の契約書や覚書を取り交わしていたために、予期せぬ大きな損害を被るということもあるかと思います。注意を払わずに相手方に送ったメールや、相手方から求められるままにサインした文書によって、後に不利な状況に追い込まれることもあります。
そのような自体を回避するためには、契約書のリーガルチェックが重要であることはもちろん、取引の前後を問わず、外に発する文書には注意を払う必要がありますし、本格的に紛争になりかねない場面では、相手方の出方に応じた対応策を事前に練っておくことも大切です。
依頼者が企業である場合は、企業の担当者と蜜に連携を取ることで、紛争そのものを生じさせにくくする、また、紛争が生じたとしても被る損害を最小限に抑えることを目指しています。契約書のリーガルチェックに留まらず、紛争予防のためのトータルサポートに力を注いでいます。

2021年9月3日

日本のハンコ文化

令和2年9月24日、河野行政改革担当相が、行政手続での印鑑廃止を全省庁に要請したとの報道がなされました。諸外国と比較すると、日本は印鑑による押印を重用しており、ハンコ文化と表現されることもあります。近時のコロナ禍を受けてテレワークを導入する企業が増えている中、押印のための出社がテレワークの妨げとなっているとの指摘もあり、政府がハンコ文化の見直しの動きをみせたことは世間の注目を集めています。

日本の法律では、文書の作成にあたって、印鑑による押印が必須とされているわけではありません。しかし、日本では社会人になるタイミングで印鑑を作ることも多く、「自分の印鑑」を大切にする習慣があることを受け、法律の世界では「二段の推定」という考え方があります。文書に押された印影が本人の印鑑によるものである場合、本人が文書に押印したと推定され(一段目の推定)、さらに、その文書は本人の意思で作成されたと推定される(二段目の推定)という考え方です。例えば、Aさんの印鑑で押印された発注書が存在する場合、Aさんが発注書どおりに注文したと推定され、その結果、Aさんには発注書どおりの支払義務があると考えられるわけです。

日本には印鑑を重用する文化があり、自分の印鑑を安易に他人に貸すことはないという経験則があるために、このような考え方が取られるのです。私が過去に扱った案件で、ある会社の印鑑を出入りの業者が無断使用したかどうかが争点となった案件がありました。その会社の印鑑が押された発注書が存在したものの、その会社は「出入りの業者が無断で押印した。」と主張したため、印鑑の保管場所や保管状況、その他の文書で使用されている印鑑と一致しているかどうか等が問題となりました。また、シャチハタ不可という書類もあります。これは、シャチハタは大量生産されており同じ印面のものが存在するため、書類によってはシャチハタを使用できないとされることがあるのです。

現在も印鑑登録制度があるのは日本だけとも言われています。国際的に署名(サイン)が重視されている中、日本も「脱ハンコ」をすることになるのでしょうか。

2021年4月16日

革靴と修行

前回の靴磨きのお話に続いて、今回も革靴ネタを。

革靴を買うとき、サイズでとても悩みます。革靴にはいくつかの製法があるのですが、グッドイヤー・ウェルト製法で作られた革靴は、インソール(中底)とアウトソール(本底)の間にコルクが敷き詰められており、この詰められたコルクは、履き込むにつれて持ち主の足の形に合わせて沈み込んでいきます。また、アッパーの革(足の甲側の革)は、履いていくうちに若干伸びていきます。

あるフランスのメーカーはきつめのサイズを薦めることで有名で、このメーカーには昔から変わらないデザインで愛されているローファーがあります。このメーカーのローファーは比較的良く沈み込むこともあり、履き込んで自分の足の形と一体となると、それはそれは極上の履き心地となるようです。自分の足の形と一体となった状態をもって、「革の靴下」と呼ばれることもあるほどです。

最初はきつくても、それに耐えて履き続ければ極上の履き心地が待っている、、、私も極上の履き心地に憧れて、きつめのサイズを選ぶようにしています。でもこれがまた辛い。おろしたての靴は3時間と履き続けることはできません。激痛が走り、30分でギブアップした靴もありました。夕方になると足がむくんで一層きつくなり、足を引きずりながら帰ることも珍しくありません。「極上の履き心地」というワードに目が眩んできついサイズを攻めすぎたのか、お店では履けたのに自宅に持ち帰って履こうとしたら足が入らず、サイズを交換してもらったこともありました。このコラムも足のしびれと格闘しながら書いています。

文字におこすと何をやっているんだという気がしてきますが、極上の履き心地を夢見てめげずにタイトな革靴を履き続ける、そんな修行の日々を送っています。

2020年10月9日

夜な夜な励んでいること

高校生の頃、通学時にローファーを履いていました。革の表面が剥げたり靴底が剥がれたりしても気にしていませんでしたし、ぼろぼろになった方が格好良いとも思っていました。手入れといえば、たまに靴墨を塗って古くなったTシャツでこする程度。
最近は革靴の手入れの仕方を学び、夜な夜な靴磨きに励んでいます。馬毛ブラシで埃を落とす、クリーナーで汚れを落とす、クリームを塗って栄養を与える、豚毛ブラシで余分なクリームを落としながら革の奥底までクリームを浸透させる、綺麗な布で乾拭きをした後、セーム革でさらに乾拭きをするという手の込んだものです。本当はこの後につま先と踵にワックスを塗って鏡面のように光らせたいところですが、ワックスを塗れば塗るほど曇っていくのでまだまだ精進が必要です。
難しいのは、クリームをただ塗れば良いというわけではないところ。埃や古くなったクリームを落として革をいったんスッピンの状態にした上で、少量のクリームを馴染ませていく。ブラシ、乾いた布、セーム革で丁寧に磨いていくと、徐々に光り出します。三足を同時並行で磨いていき、かかる時間は約1時間。暑い日には靴を磨きながら汗が滴り落ちてきますが、徐々に光り出す靴を眺めるのはなんともまあよいものです。靴に愛着も湧きます。目の前で変化していく様子に集中しながら磨いていると頭もすっきりするので、気分転換にもなります。
とはいえ、新聞紙を広げて革靴を並べ、その周りにクリーナーやクリームにワックス、クリームの色ごとのブラシを置いていくと、リビングを占拠することになってしまうので、肩身が狭いところです。そんなときは妻のパンプスも磨いてあげることで、我が家では靴磨きが市民権を得ています。

2020年8月14日

裁判業務以外の弁護士の仕事

「弁護士」というと、どのような仕事をイメージされるでしょうか。多くの方は、法廷もののドラマによくあるように、裁判所の法廷で議論を交わしている姿を思い浮かべるかもしれません。もちろん裁判業務も弁護士の重要な仕事の一つですが、弁護士には裁判所を離れて行う職務も多くあります。
たとえば、当事務所には、地方公共団体の包括外部監査人やその補助者に就任し、地方公共団体の事務等の適法性、有効性、効率性及び経済性等について、監査を行っている弁護士もいます。予算が適正に執行されるよう外部から監査することを通じて、地方公共団体に対する住民の信頼の維持向上を目指しています。また、当事務所には、司法研修所の教官に就任していた弁護士もいます。裁判官・検察官・弁護士になるには司法試験合格後、司法修習生として司法研修所で研鑽を積む必要があり、司法研修所の教官は次世代の法曹の養成を担う大切な役職です。
私も平成27年3月から東京圏雇用労働相談センターの相談員に就任し、新規開業直後の企業や海外からの進出企業等が日本の雇用ルールを的確に理解し、円滑に事業展開することができるように支援しております。
今後は、法科大学院での教育にも積極的に関わっていきたいと考えています。裁判官・検察官・弁護士を志す学生の多くは、大学卒業後、2年間又は3年間、法科大学院で学び、司法試験の受験資格を得ています。法科大学院では研究者と法律実務家(裁判官・検察官・弁護士)が協力し、理論と実務の両面から教育が施されています。私は小学校、中学校、高校と良い先生に恵まれたこともあり、弁護士を志す前は教師になりたいという思いもありましたので、法科大学院で後進の育成に関わることで、その思いを叶えたいと思います。

2020年6月19日

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