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横浜綜合法律事務所 アーカイブ

心に残る事件

稀に「勉強が好きだ。」という方がいらっしゃいますが、おそらく多くの方がそうであるように、私も勉強があまり好きではありません。

弁護士になるためには、司法試験に合格し、その後司法修習という研修期間を経て、二回試験という試験に合格する必要があります。私の人生で最後の試験になるであろう二回試験が終わった際には、「ああ、これで勉強から解放される。」と清々しい気持ちになったことをよく覚えています。学生時代、先輩方から「弁護士になってからも勉強の日々だ。」と言われていたこともすっかり忘れ、長年の勉強生活の疲れを労いました。

二回試験の合格発表から1ヶ月もたたない平成23年1月、私は当事務所に入所したのですが、入所直後、当時のボスから配点を受けた案件で、「弁護士になってからも勉強の日々だ。」という先輩方の言葉を痛感することとなりました。

その案件は、ご高齢の依頼者が商品先物取引の被害に遭い、多額の金員を騙し取られてしまったというものでした。
商品先物取引について、その名を耳にしたことはあったものの、その取引手法、損益計算方法、また、取引契約書等で使用される単語の意味など専門的な事項が多く、取引自体を理解することも容易ではありませんでした。また、商品先物取引自体は違法な行為ではないため、勧誘業者の責任追及をするためには、取引勧誘段階、取引開始・継続段階、取引終了段階の全てを通じて、先物取引業者側の不当・違法な行為を指摘する必要があり、その解明も困難でした。そこで、さっそく何冊か本を購入し、基本的なことから勉強することとなったのです。

依頼者はご高齢で、とてもそのような取引を理解しているとは思えない方でした。また、業者との取引の経過等を分析した結果、先物取引の受託という取引形態を装って、いわゆる客殺し手法を駆使して依頼者から多額の金員を詐取したといえ、不法行為に該当すると考えられました。

そこで、いくつかの救済方法を検討しました。どれも初めて経験する手続きばかりであったため、本を読んだり、当事務所の先輩弁護士に教えてもらったりしながら進めることとなりました。しかし、損害賠償請求権を保全するため業者の預金に対する仮差押えを行おうとするも、直前に当該業者が清算手続きに入っていることが判明したり、警察に対して告訴の手続きを行うも、警察からは「他に被害届が確認できない。」「業者と連絡はとれていないのか。」等と言われるだけで刑事手続きには至らなかったり、業者とその代表者に内容証明を発送するも、何ら回答がなかったりと、なかなか思うようにはいきませんでした。

最終的には、損害賠償請求の訴訟を提起し、前述の取引の経過等を丁寧に裁判所に説明し、違法性が高いことを主張していきました。同訴訟において、仮に勝訴した場合でも過失相殺により減額される可能性が高いこと、業者側には資力がないこと等の事情もあり、結果としては、裁判所の和解勧告により、請求額の半額程度の支払いを受けることで和解をしました。

「弁護士になってからも勉強の日々だ。」との言葉どおり、先物取引を理解するためや、各種手続を実際に使うため、確かに多くの勉強をすることとなりました。しかし、これまで私が好きではなかった試験のための勉強とは異なり、私を頼ってくれている目の前の依頼者を助けるための勉強は、好き嫌いを考えるような類ではなく、労を惜しまず努力できるものでした。紆余曲折ありましたが、最終的には依頼者に納得いただける方法で解決できたというこの最初の経験が、今なお続く勉強の日々につながっていると感じています。

弁護士登録をして10年目となりますが、今後も依頼者の方々のお力になれるよう、精進してまいります。

2020年6月5日

滝沢 章「結婚式」

先月、一週間ほどお休みをいただいて、ハワイで結婚式を挙げて参りました。
もともと面倒くさがりの私たち夫婦は結婚式に全く興味がなく、入籍してから一年以上経過しましたが、「結婚式はしない」と公言しておりました。しかし、周囲から「結婚式はやった方がよい」「なぜやらないのか?」と言われることも少々面倒になり、「写真くらい撮れば?」という案が気になるようになっていたところ、「どうせ写真を撮るなら景色のよいところがいい」という妻の提案から今回のハワイ挙式が決定しました。
結論からいうと、よく聞くフレーズですが、「結婚式やってよかった」です。
我々夫婦のわがままで日程も場所も急遽決定しましたが、家族と友人にも参加してもらい、とても幸せな時間を過ごすことができました。また、ハワイでの写真撮影もよかったと思います。私たち夫婦は普段から写真などほとんど撮らず、自宅の写真立てには自分たちが写っていない写真を飾っているような状態でした。今回の写真撮影は、16時からの挙式のみならず、朝11時には宿泊先のホテルに現地のカメラマンが訪れ、準備風景やホテルから出発の様子、海岸沿いをドライブしてビーチでも行いました。予定外の嵐のような強い風(現地の人いわく「春一番」とのこと)で大変でしたが、それでも美しい海や壮大な景色の中での撮影は楽しかったです。また、日本だったら絶対に拒絶したであろう恥ずかしいポーズを幾度も要求されましたが、現地の方々からの祝福の言葉や、カメラマンの「パーフェクト!!」などの言葉に気分を良くし、恥ずかしがりながらも様々なポーズで撮影してもらいました。近く写真が届く予定なのですが、ようやく写真立てにも飾れるようなものが届くのではと夫婦で楽しみにしています。
ちなみに、経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、全国の主要8都市について、結婚式の件数は、調査を始めた2000年は約9万件だったところ、2013年には5万件あまりと半分近くになっているようです。
それぞれの夫婦でそれぞれの事情があるかと思いますが、結婚式、やった方がいいです。

2014年4月9日

滝沢 章「救急搬送!」

その日は自宅から直行で裁判所へ行く予定であった。自宅で裁判の資料を読んでいると、腰の右後ろあたり、これまで感じたことの無い激痛に襲われた。椅子に座ることなどできず、床にうずくまる。次第に右手足が痺れ始めた。痺れは止まらず、「これは脳卒中?!」「結婚したばかりなのに!!」(今年の元旦に入籍しました。)等が頭をよぎった。

自分で救急車を呼ぶことには大変抵抗があった。しかし、激痛と脳の異常への恐怖から、痺れる右手で119番を押した。心配した上司と同僚が自宅まで駆けつけ、救急車に同乗してくれた。

医師から告げられたのは…

「脳卒中!」ではなく、「尿路結石…」。痛み止めの座薬を打ってもらうと、嘘のように痛みはなくなってしまった。右半身の痺れは、私が痛がりすぎて興奮したことが原因ではないかとのこと…。心配してくれた上司の姿は、病名告知と同時に消えてしまった。確かに、病名を聞くと大したことないと思うかもしれない。しかし、その激痛たるや(ちなみに、この日以降、尿路結石経験者である自宅マンションの管理人が優しく声をかけてくれるようになった)。

体調管理の大切さを改めて思い知った。

2013年11月18日

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